嫉妬深くて、恨みがましくて、いたずら好きで、執念深くて、意地が悪くて寂しがりやで、怒りっぽくて、時々人を殺してしまう程恐ろしい心をもつ妖精、それがウィリーである。
古典バレエの名作「ジゼル」の第2幕に登場する森の妖精達で、夜の森に迷い込んで来た男達を呪い殺してしまう恐ろしい存在である。
だが、つらい目に遭って思いを遂げられず、死んでしまった若い女性達の亡霊でもある。
悲しい妖精達なのである。
このウィリー達はなかなか興味深い存在なのではないかと思った。
それで、ウィリー達をメインキャラクターにしたコンテンポラリーダンスを創りたいと考えたのである。
昔は森の中に住んでいると言われていた妖精達も、森がなくなってしまった現代ではいったいどこに住んでいるのだろう。おそらく現代では、人間の心の中の森が一番深いのではないだろうか。
森本京子 |